慌ただしい日々の中で、私たちは皆、考えすぎたり、何かを探し過ぎたり、求めすぎたりして、ただ存在する喜びを忘れています。
- Eckhart Tolle
私たちが苦しむのは、現実と矛盾する考えを信じているときだけです。
- Byron Katie
もくじ
マインドフルネスを通したストレス改善
私たちが不快なストレスを大きく感じて辛くなるとき、変えられないものに抵抗している場合が多くあります。
たとえば、戻れない過去について後悔の念を抱き、嫌な気持ちを何度も追体験してしまう。
そのうちに、自分自身についての否定的な考えや信念が強固なものになってしまう。
もう考えたくないのに、止められない自己否定的な思考のループ。現状への不安や不満。
そんな苦しみから抜け出すには、「現実と矛盾する考えを信じている」ことに気づくことが、まず大切なのですね。
そのために、マインドフルネスの瞑想が大きな助けになってくれます。
マインドフルネスとはどんな状態?
マインドフルネスとは、「いま・ここに存在すること」
今・この瞬間が、ありのままでいられるように、自分が、ありのままでいられるように、自分に許可を与えてください。
-Jon Kabat-Zinn
「ありのままではない」とはどういうこと?というと、いまの瞬間を過去の記憶のフィルター越しに体験している状態です。
たとえば、夜おそくに心配な考え事が止まらなくなり、お布団に入っても眠れない、という場合、
安全な寝床で休んでいる「いま・ここ」の体験を味わえず、過去の体験にもとづくネガティブな思考に影響されて苦しんでしまっています。
「悪い結果になったらどうしよう」「いまの自分が、もっと違ってたらいいのに」などなど、不安や後悔といった、今ここにはないものに対して葛藤し、心の重荷が増大。
マインドフルネスの実践では、浮かんで来る考えに対して「ひとつの考え」として接します。
嫌な思いが浮かぶとき、その思考を重大視し過ぎず、一時的なもの・消えゆくものとして扱えるマインドが育つため、
練習を重ねることで、考えすぎてストレスに圧倒される必要はないと認識できるようになります。
気持ちの落ち着きを少しずつ取り戻し、物事をより明確に・より冷静な態度で観察して対応できるようになるのです。
マインドフルネス瞑想「川と葉っぱの瞑想」をガイドする台本
「川と葉っぱの瞑想」は、浮かんでくる思いを、ひとつずつ・落ち着いて観察できるようになる効果的な方法です。
私たちを消耗させる思考の渦から距離を置けるため、快適で健康的な心の状態で過ごせることが増えます。
マインドフルネスでストレスが改善する効果とは
呼吸、身体感覚、または身近で・五感で体験できるものに集中することを通して、不安な思考のサイクルから抜け出し、今この瞬間の平安なコンディションを取り戻すことができます。
マインドフルネス 練習例
たとえば、重要な仕事を控えた前日。「うまくいかなければ、大変なことになる」という考えがグルグルして、不安と緊張で気分が重苦しいかもしれません。
これは、いまの自分ではコントロールできない、明日の不確実な出来事に対して抵抗し、どうしようもない不安を生み出している状態。
ここで助けになるのは、今この瞬間にできることに集中することです。
呼吸に注意を向けて、「ふ〜っ」と、ゆっくり息を吐く。
少し丁寧に息を吸うように意識してみる。
それだけでも、呼吸の落ち着きとともに焦っていた心がスローダウン。
すると、あれもこれも心配でたまらなかった心の状態から、
明日、自分が話すべき内容を、大切なポイントごとに「ひとつずつ」見直してみる。
など、今できる最善の行動を選べるようになり、目の前の課題に集中でき、
「うまくいかなかったら大変だ」と、勝手に思い浮かべていた最悪のシナリオに対して感じていたストレスを軽減できるでしょう。